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東海大学医学部 長谷部教授より、浮遊ウイルスの除去試験結果を公開していただきました

感染対策として換気が困難な部屋に空気清浄機+オゾン発生機が有効なエビデンス

新型コロナウイルス感染症に限らず、様々な菌やウイルスの感染防止策として

換気(窓などの開放)が推奨されていることは皆様もご存じだと思います。

しかし、換気が困難な室内(CT室、地下室、盛夏や厳冬期)においては、一定以上の風量の空気清浄機など

室内の浄化機器によって空気中の菌やウイルスを減少させることが必要とされています。

換気による感染対策とは、室内に保菌者・感染者が入室した際に、拡散した菌やウイルスを早期に

減少させることが有効とされていますが、今回の実験では、室内に拡散した菌やウイルスが

空気清浄機・オゾン発生機によって、どのように減少していくのか実験で調べてみました。

空気中のインフルエンザウイルスH1N1の減少数を比較

1:空気清浄機のみ

2:空気清浄機+オゾン発生(米国基準0.05ppm)

3・4:オゾン発生機(米国基準0.05ppm、日本基準0.09ppm)

上記4機種でH1N1インフルエンザウイルスを室内に噴霧し、一定時間の機器動作を行いエアサンプラーで吸入した後に

ウイルス減少数を比較しました。

当実験は、日本医師会、日本歯科医師会、病院団体及び厚生労働省等関連省庁等のOBや学術研究者等も編集委員に迎え、

研究レベル、実務レベルの問題提起や時代を先取りする密度の濃い医療・福祉の総合情報を発信されている

医療情報月刊誌「JMS:Japan Medical Society」初夏号にて

東海大学医学部医学科 専門診療学系 画像診断学領域
長谷部 光泉(はせべ てるみつ) 教授 医学博士・工学博士より寄稿していただきました。

(下記誌面クリックでPDFが開きます)

JMS記事より抜粋

コロナウイルスが流行し、私たちの生活には換気の習慣が以前に増して重要な意味を持つようになった。

しかし、私たちの健康を守る医療現場では、目に見えないウイルスに対する最も有効な対策方法である

換気ができない場面も多い。たとえば、病院やクリニックの MRI 室や CT 室、レントゲン室等は、

そこに収まるものが超高額な精密機器であるがゆえに、室内環境を常に一定にする必要があり、

外気に触れさせることが難しいのが現状だ。
そんな中、予ねてよりオゾンガスによる消毒に注目してきた医師であり工学博士でもある東海大学医学部教授の

長谷部光泉は、2020 年から東海大学医学部付属八王子病院画像診断科に院内の感染対策として、

「オゾンガス消毒器(医療機器認可)」及び「オゾンガス機能付き空気清浄機」を導入し活用している。

今回は、外部の試験機関を利用し小空間におけるウィルス試験を実施したので報告する。

浮遊ウイルスの除去実験方法とその結果

試験実施環境を小空間(25m3)として浮遊インフルエンザウイルスにおける換気の代替機能としての各種機器を比較検討した。

①BSL-2対応施設内(25m3)で試験を実施した。

②新型インフルエンザ(H1N1)のウイルスを空間内に噴霧し、
コントロール(自然)と各種機器での比較をした。

③試験としては、噴霧後30分後、1時間後、2時間後に、室内空気を吸引し、ウイルス残存数を
コントロール群と比較し、抗ウイルス活性を評価した。

なお、本実験は食環境衛生研究所において実施評価した。
また、試験は一般社団法人日本電気工業会が2011年7月4日に制定した
「空気清浄機の浮遊ウイルスに対する除去性能評価試験方法」に準拠した。

https://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/kuusei/hyoukashiken/index.html

考察

本実験を通して、オゾンガスを用いた浮遊ウイルスの不活化について調べた結果、少なくとも本実験で使用した

ウイルスにおいては、オゾンガスを用いた除菌は有効であると同時に、そこに空気清浄機を組み合わせると、

より有効性が増したことが示唆された。

ちなみに、オゾン濃度は高い方がより短期での効果を発揮するが、有人環境下での利用を想定した場合、

安全面ををより重視した厳重な濃度管理が必要となる。あるいは無人環境にする、もしくは安全基準を満たしながら

運用するための安全装置が実装されているかに気を配る必要がある。

また、本実験においては確認されていないが、オゾンの有効性には湿度管理も同時に求められ、

55%程度が良いとされている。

今後も患者さんや医療従事者の双方を守るために、換気が難しい環境であっても改めて院内工事をしなくても、

院内感染対策により効力を発揮するオゾンや空気清浄機を活用して参りたい。

本実験で使用した機器のオゾンガス発生器ならびにオゾン空気清浄機は全て株式会社タムラテコの
オゾン発生機並びに空気清浄機を使用した。

実 験 結 果

HEPA フィルター(H14 グレード)を搭載する空気清浄機による浮遊ウイルス除去効果 は 30 分で約60%を除去

空気清浄機に低濃度オゾンを同時発生させると、30 分で約 93%を除去できることが示 唆された(オゾンによる除去効果)

空気清浄機能を持たない低濃度オゾン発生機だけでも 30 分で浮遊ウイルスを除去

空気清浄機能を持たない低濃度オゾン発生機のオゾン濃度 0.09ppm の場合で 0.05ppm と比較して、
より短時間で減少率が高まることが示唆された(オゾン濃度による効果の確認)

小型オゾン発生器の発生する微弱オゾン濃度による浮遊ウイルス除去効果は時間に比例する

空気清浄機とオゾン発生器を同時稼働させる事で、 浮遊ウイルス除去能力が向上することが示唆された

浮遊菌・浮遊ウイルスの早期除去と落下・付着した場合の除菌について

実験結果では120分間行い、全ての機器において120分後には99%以上を不活化しています。

しかし、室内に浮遊する菌やウイルスを可能な限り早期に取り除き、体内に取り込む事を防止するのであれば、

浮遊30分以内に可能な限り菌やウイルスを除去する事が必要です。

また、浮遊したままではなく、室内の各所に落下することで更に生存時間が延びる事が米国CDCの研究で明らかになっています。

落下・付着した菌やウイルスは空気清浄機では取り除くことができないため、付着菌・付着ウイルスに関しては、

室内をオゾンによって除菌する事が有効であると当社では考えています。