Vol.10 福岡コンベンションセンター様

九州地区最大のコンベンション施設
大小様々なスケールに対応できる施設

福岡の博多地区は衣食住遊全てが集約されており、居住・滞在に便利で整った街だと言われている。
博多駅・福岡空港から共に30分圏内のウォーターフロント地区に位置するマリンメッセ福岡及び福岡国際会議場は九州地区最大規模のアリーナ施設であり、スケールの大きなイベントや展示会を行える「展示機能」、陸上競技やバレーボールの会場として使える「アリーナ機能」、そしてコンサートなどのための「ホール機能」などあらゆる催しに対応できる施設であり、九州最大都市で開催される有名イベントが当施設にて開催されてきた。
2021年には延床面積11,300㎡のB館も共用開始され、九州地区において最大規模のイベントやビジネスシーンを演出できる施設となっている。

今回特集するのは、大小様々な会議室を備える「福岡国際会議場」及び「マリンメッセ福岡」「福岡国際センター」機能における感染対策である。

1.

膨大な備品を保管する備品庫には高濃度オゾンガス発生器を配置し、倉庫内全域をオゾンで除菌を行う。物品の清拭を省略し拭き漏れを防ぐ。写真の機材は救急隊が導入している“BT-088”の民生機版“オラくりん”
大相撲九州場所が開催される福岡国際センターの備品庫にも同様の機材が導入され、イベント開催時にはフル稼働している。

2.

大・中・小、様々な会議室を備える国際会議場には、B T - 1 8 0 Hが28台が配備され、空気清浄を行いながら人に安全なオゾンを発生させる事が可能

感染症禍で利用者減となったイベント分野

人が集う分野を直撃した新型コロナウイルス感染症

2020年より世界中に猛威を振るう新型コロナウイルス感染症によって、イベント・興行は開催延期や中止を余儀なくされ、ビジネス環境もWebミーティングやテレワークなどの直接人が会わない方式に様相を変える事となり、2021年に共用開始となったマリンメッセB館も利用が制限される事態となり、国際会議場棟も、人が集まる会議関連が軒並み中止となってしまった。

新型コロナウイルスの驚異的な感染力は、人が集まるイベントや施設の利用を制限させ、新たな生活様式やビジネスシーンを作り出した。対面で直接話し合う機会をなくすことでウイルスに感染する危険度を下げる事だ。しかし、繰り返す感染の波を経て人々はやはり直接会って・見て体感する事も大切だと認識するようになった事は間違いない。

カンファレンスや会議、見本市などはWebのモニターの中だけで行うよりも、プレゼンターの目や挙動を目にしながら内容を直で聞く従来形式が話す方も聞く側も大切だ。
施設利用者が減少しながらも、来るべき近い将来に感染対策を併用しながらイベント開催を求められる時代が来ると予感した施設管理者である一般財団法人福岡コンベンションセンターの鹿児島課長(オペレーション部 安全管理課)は、当時様々な感染対策方式が市場に登場していたが、一つ一つ問い合わせて当該施設と利用者に有用で安全な除菌方式を検討、そんな中で、様々な薬剤や紫外線などすべてにおいてゼロベースから検討した上で残ったのが、オゾンだ。

3.

西日本地区最大のビジネスイベントを支えてきた福岡国際会議場と、2 0 2 1 年に供用開始したマリンメッセ福岡B館。最新のイベント開催機能を持ち、A館と併せて九州地区最大の収容人数を持つ。

会議室(有人)と備品庫(無人)で使用機器を変え、
必要とされる感染対策を補佐する

付着ウイルスを除去する高濃度オゾン機器と
換気を補佐する空気清浄機+低濃度オゾン機器
シーンに合わせて最適な機器を選定

原料は酸素から生成され、原料備蓄も不要、人に安全で濃度も規定されていて、何よりも低濃度オゾンガスは感染症ウイルスに対する除菌効果( 感染性を失わせる効果)を有しており、2020年に藤田医科大学( 愛知県豊明市)の村田貴之教授(専門はウイルス・寄生虫学)によって試験され、実証されている事が決め手となった。
オゾンは酸素から生成され、除菌後はまた酸素に戻る事から、残留性がなく安心できる。拡散性があり施設が対策に苦慮していた使用備品の接触感染対策と、会議室・飲食店における浮遊・付着感染対策には利用しやすい特性を持つ。
鹿児島課長はメーカー/販売代理店と密に打ち合わせを行い、消防庁救急隊など官公庁にも導入されているタムラテコ製のオゾンガス機器と決定し、次のような機器の運用を選定した。
会議に使用した椅子やテーブルなど膨大な備品が保管されている福岡国際会議場内の備品庫には最大10PPMの強力なオゾンを発生させ、無人の庫内備品を全体的に除菌する高濃度オゾン発生機(オラくりん)を配置し、限られたスタッフによる清拭などの感染対策作業を効率的に補佐している。人が集まり会話をする会議室や飲食会場においては換気の代わりに空気清浄を行いながら人体に安全な低濃度オゾンを発生させて室内のウイルスや菌を除菌できるBT -180Hを配置した。

4.

マリンメッセ福岡の会議室などには1 3 台のB T - 1 8 0 Hが配備され、部屋の面積に応じて機器が稼働する。

人と人とのコミニュケーションを 止めない努力
これからのイベント開催に必要な対策

大〜小までバリエーション豊かな会議室に配置されるBT -180Hの必要台数は部屋の大きさに応じて緻密に計算されている。搭載されているHEPAフィルターと活性炭フィルター、光触媒フィルターの3層フィルターによって効率的に室内空気を清浄化し、機器背面からは臭いも刺激性も全く感じない「人に優しい濃度」のオゾンを同時発生させて機器周辺のウイルスや菌・匂い成分などを軽減する。無人となった夜間には機器に搭載されているタイマー機能で比較的高めの濃度のオゾンを発生させて室内のドアノブなどに付着したウイルスや菌を除菌する。
先述したとおり、酸素から生成されるオゾンには原料薬剤の補充なども不要であり、施設管理者の管理やコスト負担を軽減している。また、「福岡国際会議場」「マリンメッセ福岡」「福岡国際センター」全施設の各防災センターにもオゾン機器が配備され、中枢機能を感染症などで停止させないよう万全の体制が取られている。これらオゾン機器の導入は、(株)タムラテコ西日本営業所と、福岡市内にオフィス拠点を構え、九州一円にオゾン機器を販売している(株)オフィス・ヤナギがサポートしている。

2022年現在も感染症は第七波を数え、変異株もオミクロンBA.5と感染収束には程遠い状況が続く。 しかし、。ビジネスでもイベントでも、人と人とがふれあい、直接会い、語らう機会が今後はもっと必要とされるのは間違いない。福岡コンベンションセンターのオゾンを活用した取り組みは、コミニュケーション拡大のサポート手段として重要な役目を担っている。


一般財団法人
福岡コンベンションセンター

大規模なイベントや展示会を行える「展示機能」、スポーツ会場として使える「アリーナ機能」、コンサートなどのための「ホール機能」などあらゆる催しに対応できる多目的施設

〒812-0032
福岡市博多区石城町2-1
代表電話番号 092-262-4111
FAX 092-262-4701