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学習机の上にはSpace Clean Duo。コンパクトな設計で音も静かなので、日々の勉強をジャマせず安心を提供できる
鹿児島市内にある中高一貫の名門男子校「ラ・サール学園」。東京大学を筆頭に、国立大学や医学部といった難関校への高い進学実績を誇る同校の寮が、感染対策の一環として2021年夏から採用しているのが、「オゾン」だ。
オゾンは近年、ウイルスや細菌の除菌手段の一っとして注目されている成分で、2020年には藤田医科大学(愛知県豊明市)の村田貴之教授(専門はウイルス・寄生虫学)が、「低濃度オゾンガスの新型コロナウイルス不活化効果(感染性を失わせる効果)」を実証した。
寮に入ると目に入ってくるのが、広いエントランス。多くの学生やオゾンなどを導入基本的な感染対策に加え寮のスタッフが日々、ここを通って外出し、帰寮する。
外から持ち込んだ雑菌類をシャットアウトするために設置したのが、天井に取リ付けるタイプのオゾンエア発生器Lyon Ceiling 。これは空間を常時0.lppm以下という人体に安全な低濃度のオゾンで満たすように設計されており、新型コロナワクチンの接種会場としても使われた藤田医科大学の体育館にも設置されている。
オゾンには除菌だけでなく、臭い成分の分解・消臭効果もあることから、ゲタ箱では避けられない靴の臭いの軽減も期待でき、一石二鳥となっている。
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高校自習室のうしろに設置されたBT-180シリーズ。
空気清浄機機能と高濃度オゾン燻蒸機能を持つ
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オゾンを発生させるLyon Ceiling
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オゾン濃度の測定モニター
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換気の状況がわかる二酸化炭素濃度計測器
同校では中学生は寮生活を送り、高校生は自宅通学や下宿も可能だが、多くが寮での生活を選ぶ。このような状況で最も注意しなければならないのは、集団行動における密集状態による感染だろう。実は、2020年4月には同校でも入寮式後に生徒1名の感染が判明。幸いにもその生徒は無症状で、集団感染(クラスター)も逃れられたが、新学期から早々に学校は休校となり、中学1年生と、高校1年生は、自宅か寮で2週間、待機させるなどの措置がとられた。
これを機に寮のスタッフは学校向けの「新型コロナ感染対策マニュアル」を改めて見直し、毎朝の健康状態の管理から、施設入退出時の検温、手洗い、うがいの励行、換気、黙食、施設内でのマスク着用の徹底などを実施していった。
だが、日本の活火山の1割が集中する鹿児島という士地において、どうしても避けられないのが、「降灰」という気象現象だ。市内に火山灰が降り注げば、感染対策では重要とされる窓開け換気を十分に行うことがむずかしい。このようななかで活躍するのが、タムラテコ社のオゾン発生機器だ。エントランスはもとより、ホールや居室、食堂など寮内のさまざまな場所に設置、生徒たちが安心、安全して勉強にまい進できる環境を整えている。
勉強室は、中学生には専用の机が割り当てられ、高校生は早朝から深夜までデスク付きの部屋を自由に使うことができる。長時間にわたって生徒が在室する勉強室の天井には、エントランスと同様にLyon ceilingが設置されているほか、BT-180シリーズが複数台置かれている。降灰がある日や気温が高く換気がしにくい日などでは、こうしたW対策が欠かせないという。このBT-180シリーズは、HEPAフィルターなどの高性能フィルター内蔵の空気清浄機付き低濃度オゾン発生装置で、夜間などの人が不在時には、濃度オゾンの放出が可能で、集中的に除菌、消臭をしてくれる。
このほか、生活の場である各部屋(中学生は8人部屋、高校生は個室)には、プラズマオゾン発生器のバクテクター03BT-03や、小型のオゾン空気清浄機Space clean Duoが、一度に600人の食事ができる食堂にはLyon ceilingが、ホールにはBT-180シリーズが設置されている。
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母体であるカトリック教育修道会「ラ・サール会」は世界80カ国、約1000の教育機関を運営。わが国では1950年に高等学校が、56年に中学校が設立された。
【school data】
ラ・サール学園
ラ・サール高等学校中学校
鹿児島市小松原2-10-1
099-268-3121(代)
育ち盛りの生徒たちの成長に欠かせないのが、食事。日々、生徒に栄養面を考えたおいしい食事を提供している厨房も、当然ながら十分な感染対策を行っている。実は、昔からオゾンにはカビや細菌などの発生・増殖抑制効果が知られており、食品、飲食業界ではオゾン発生器の導入が進んでいる。このような背景もあり、寮の厨房では以前からオゾン発生器を用いていたが、今回改めてタムラテコのロングセラーである業務用オゾンガス発生装置Space cleanを設置。同機はオゾン殺菌灯と紫外線殺菌灯の両方が搭載されており、人が不在となる夜間は厨房内で高濃度オゾン燻蒸を行う一方、日中の調理作業時には低濃度オゾンを放出、さらには紫外線殺菌のトリプル作用で、厨房内の衛生環境を保っている。
ほかにも、寮を切り盛りする寮教員などが在室する事務所には、BT-180シリーズと、小型のオゾン発生装置Lyon3.0が配置、生徒の体調が悪くなったときに対応する医務室にもLyon3.0が配置されている。
日本の将来を担う生徒に安心、安全を—。基本的な感染対策とともにその一翼を担っているのがオゾンであり、タムラテコが提供するオゾン装置なのである。